新幹線 ここは恐ろしい慣性のなか 焼かれる羽根は蛇足とばかりに つるりとした不気味なモンスターは 太陽の怒りをものともしない その体内で光る脊柱に眼を焼かれながら 拷問椅子の上ではただ待つことのみ許される 私は私にしがみつく こぼれ落ちて吹き飛ばされてゆく意識を必死でかき集めようにも 私の魂は時速300kmで走れない 引き剥がされた容れ物のみが持っていかれる 急げもっと速く なにもかも置き去りにして